中小企業が働き方改革をすすめるための人事労務管理を支援いたします
働き方改革に関するコラム 2017年6月~9月

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2017-09-10
【シリーズ働き方改革】働き方改革は総務部マター?

セミナーの宣伝を兼ねて、色々な方々にお話しをしたり、お話を聞いたりしていますが、「働き方改革」について、非常にフンワリとしたイメージをお持ちの方や単なる人事労務管理上の課題ととらえている方が多いように感じます。

例えば、過度な長時間労働を改善したり、多様な働き方を許容するということは、自社の商品・サービスの商圏や競争力、生産工程やロジスティクス、意思決定や企業文化などと不可分の問題であり、つまるところ経営全体の問題に行き着くことになります。

人事や総務などの管理部門マターの問題ではなく、
ましてや、上から目線の「君たち働き方を見直しない」的な従業員意識改革の問題ではないのです。

国の用意したメニューを見て、思いつきや助成金目当てで「できそうなことをする」ということだけでは十分な効果は得られないでしょう。

自社の「働き方(働かせ方)」の現状分析と問題点の洗い出しをきちんとおこない、改善方向を決め、制度設計をして実行することがポイントとなります。
それは、まさにマネジメントそのものの課題ですね。

2017-07-28
【シリーズ働き方改革】 勤務間インターバル制度

働き方改革の一つのテーマとして長時間労働の是正があり、過度な長時間労働は、労働者の健康被害(精神疾患や脳・心疾患)や生活との調和を壊すなど様々な問題があります。

特に中小企業の労務管理現場では、人員不足が長時間労働を招き、長時間労働が離職と採用難を招き、また人員不足が進むという悪循環が見受けられ、これをどう断ち切るのかが課題となっています。

また、長時間労働で健康被害を受けた労働者や家族から損害賠償請求を受けるリスクも高まっており、実際、精神疾患等による労災申請数も年々増えています。

長時間労働による健康被害を防ぐためのツールとして注目されているものに「勤務間インターバル制度」があります。

これは、勤務終了時刻と翌日の勤務開始時刻の間を一定時間空けることを就業規則等に盛り込みルール化するものです。

例えば、深夜まで勤務した時に、会社裁量で「明日は午後からでいいよ」という具合に弾力的に労働時間を変更することなどは、特に小さな組織ではままあることで、それを制度化したものと考えると分かり易いかもしれません。

現時点では、勤務間インターバル制度は、法令上の制度では無く、会社と労働者の合意により自由に決めることができます。

制度設計上は、
始業時刻を繰り下げた分について終業時刻も繰り下げる(所定労働時間を変えない)のか、終業時刻は繰り下げず所定労働時間を減らすのか。

また、労働時間が減少した場合について賃金をどのように取り扱うのかについても、所定労働時間労働したものとみなして賃金を変えないのか、欠勤控除対象とするのか。

そもそも「インターバルを設けなければならない」として強制的に就業制限を課すのか、「インターバルを設けることができる」として労働者本人の裁量の余地を残すのか。

など様々な問題について、企業の実情に合わせて制度を考えていく必要があるといえます。

労働者の健康維持に必要な休息時間を確保し、企業の安全配慮義務履行を担保できる一つのツールとして有効な選択肢と考えます。
http://www.mhlw.go.jp/…/roudou…/jikan/interval/interval.html


2017-07-06
【シリーズ働き方改革】

働き方改革実行計画の中では、「柔軟な働き方がしやすい環境整備」の一環として「副業・兼業の推進」がうたわれています。

いわゆる正社員の副業は、大半の企業の就業規則等で禁止または許可制とされていて「当然ダメ」と思われていることの一つです。

意外に思われるかもしれませんが・・・
労働契約の本旨からすると、所定労働時間以外のプライベートな時間や休日などについて、社員が何をしていようが自由なのが本来です。
一方、判例などでは副業により本業が疎かになったり、副業内容が本業に抵触したり悪影響を及ぼす懸念があるケース等について制限を課すことは一定の合理性があるものと判断されているのです。

実行計画では、副業についてガイドラインを設けモデル就業規則等を作成するほか、労働社会保険制度についても副業に対応した検討を加えるとしています。

実際、社労士からすると、現行の法制度は正社員が副業をおこなうことを想定しておらず、様々な問題を孕んでいます。

例えば、
副業で他社に勤務している最中に、労災事故にあった場合に労災保険の休業・障害・死亡補償などは、全て副業先の賃金を基に算定されることになります。大抵の場合では、副業からの収入の方が少ないため災害補償は最低限とならざるを得ないでしょう。
また、副業で自営業をおこなうケースで、ケガなどをした場合には労災保険からの給付はありません。
さらに、
労働時間に関する法規制も問題で、本業・副業とも労働時間については通算するとされているため、例えば本業A社で8時間働いた後に、副業B社で2時間勤務したとすると、B社は2時間について時間外割増賃金を支払う必要があります。
月~土が本業、日曜に副業勤務なら休日割増賃金ということになります。
副業側の会社からすれば「そんなのおかしい」と思われるかもしれませんが、法令上はそうなのです。

その他にも、長時間労働対策、安全配慮義務等の責任分担、社会保険料、雇用保険料負担などについても見直さなければならない課題がたくさんあり、具体的にどのような政策がとられていくのか注目されます。

国が二つ以上の仕事を持つことを推進する理由は、新技術開発やオープンイノベーション(社内資源だけに頼らず社外の研究機関や異業他社などとの連携した技術革新)、新規起業の促進、定年リタイア後の準備等が挙げられているため、「本業退勤後に居酒屋でバイトする」みたいな事例を想定してのことでは無いのかも知れませんね。

2017-06-26
【シリーズ働き方改革】

話題の「週休3日制」も「働き方改革」の流れの一つに位置付けられるものと考えられます。
基本的には、多様な働き方を認めることにより、人材確保等をはかろうとするもので、佐川急便やユニクロなどの有名企業で導入が開始され、追従する企業も出てきています。

労働基準法では、労働時間の上限を1日8時間、1週40時間と定めていますが、一定の条件をクリアした変形労働時間制をとることにより、1週平均40時間以内とすることができます。

佐川急便の例では、
1日8時間×週5日勤務=週40時間

1日10時間×週4日勤務=週40時間(週休3日)

という具合ですね。この例では、週所定労働時間は変わらず、原則として賃金も変わりません。

変形労働時間制の基本的な考え方は、繁忙期と閑散期のある企業が、繁忙期の出勤日数を増やしたり、1日あたりの労働時間を延長する代わりに、他の時期の休日を増やしたり、労働時間を減らしたりして、ある一定期間の労働時間を平均して1週40時間以内にしようというものです。

従来の労務管理実務では、変形労働時間制は「事業の繁閑」に対応して、総労働時間を圧縮することで残業代等の支出を削減したり、完全週休2日制が困難な企業が年間カレンダーにより休日管理をするために導入されることが多かったと思います。

佐川急便やユニクロ、ヤフーの例では、
①主に人員採用や定着を目的としたもの
②休日増による社員のモチベーションアップ、余暇活動による自己啓発的な要素に主眼をおいたもの
という変形労働時間制の導入目的が新しいといえます。

古くからある制度を、新しい目的のために活用するという点が注目されますが、結局人手不足で週5、6日勤務の50時間、60時間労働になるだけという評価もあり、それは今後の運用次第といえます。



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2017-06-22
【シリーズ働き方改革】 はじめます!!

本年3月に策定された「働き方改革実行計画」では、2017年度から2026年度の10年間のロードマップが示され、国において様々な施策がおこなわれていくことになります。

「働き方改革」においては、長時間労働の是正や同一労働同一賃金がクローズアップされていますが、それは手段の一つに過ぎません。
本質的には、雇用の流動性を高め、多様な働き方(働かせ方)を許容する社会・経済体制をつくろうというものであり、従来の日本型企業における会社と労働者の関係性を大きく変えることになるかもしれません。

オフィス・プレアデスFBページでは、中小企業の労務管理現場においても、大きな影響を及ぼすことになる「働き方改革」にまつわるテーマについて記事を上げていきます。

どうぞ、ご期待ください。


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